唇のできもの、ぶつぶつやガサガサの原因や早く治す方法を知っておこう
キレイにお化粧しても、唇にぶつぶつがあったり、ガサガサなかさぶたがあると満足な仕上がりになりませんよね。
特に、季節の変わり目にはこういった唇のトラブルが多くなります。
また、「唇に乾燥は大敵」ですが、それと同じくらい注意すべきものがあるのをご存知でしょうか?
今回は、対処法が意外に知られていない唇のできものについて、その原因や症状ごとの種類、できてしまった時のお薬までをまとめてみました。
じっくりとご覧ください。
目次
唇のできものの症状と種類
唇の皮膚は、皮脂腺がなく、角質層が極端に薄くなっています。細胞間脂質や天然保湿因子も少なく、刺激を受け、乾燥しやすい部分と言えます。
そんな唇にトラブルが起きるのは当然かもしれませんね。
通常、自然に治まることも多いため、あまり気にしない人もいるかもしれませんが、長引いたり、悪化した時には手術が必要となる場合もあるので注意が必要です。
まずは、唇でおきやすいトラブルの種類を挙げてみましょう。
- 口唇ヘルペス(唇に水ぶくれができる)
- 口唇炎(唇に炎症が起き、赤く、痛みがる)
- 口角炎(唇のふちにできる)
- パピローマウイルス(白いできもの)
- 粉瘤(白いぶつぶつ)
- 唇にできるホクロ(小さな黒い斑点)
唇のできものと言ってもずいぶんたくさんの種類があるものです。
続いて、それぞれの症状と対処法を詳しくみていきましょう。
口唇ヘルペス
口唇ヘルペスは、数日で症状が進み、2週間程度で治まります。
最初は、唇がピリピリ、チクチクするなどの違和感が生じます。
そのうち、かゆみやほてりが始まります。半日以内に唇が赤くはれ始めます。1日~3日経つと、はれた患部に水ぶくれができます。
水ぶくれが破れると他人に感染する可能性があります。10日~2週間でかさぶたになり、治ります。
口唇ヘルペスの原因
原因は、「単純ヘルペスウイルス1型」というウイルス感染です。とくに、発症してから1日~3日して水ぶくれができた状態は、もっともウイルスが増殖している時期です。
この時期に水ぶくれが破れると、他人に感染してしまうリスクがあります。
口唇ヘルペスの注意点
いちどかかると、再発を繰り返します。ウイルスは、完全に取り除かれることはなく、神経細胞の中に潜伏します。普段は症状が出ませんが、免疫力が落ちている時には、力を発揮して症状が出て、悪化しやすくなります。
口唇炎
口唇炎は、口の周りや唇に生じる皮膚炎や湿疹の総称です。
原因や症状によって、アトピー性口唇炎、接触性口唇炎、剥離性口唇炎、光線性口唇炎、肉芽腫性口唇炎などの種類に分かれますが、全般的には、赤くはれ、出血や痛みが生じるという症状になります。
種類別の口唇炎の症状と原因、対処法
口角炎
唇の端に炎症が起きるのが口角炎です。亀裂によって口を大きく開けた拍子に出血することもあります。適切な処置をすれば、3日程度で治ります。
原因としては、睡眠不足や食生活の乱れ、疲労などの体調不良がおもなものと考えられています。
ビタミンB群の不足も原因となるので、レバーや豆類、肉類を積極的に摂るようにしましょう。
パピローマウイルス・粉瘤
唇に白いできものが生じるものとして、パピローマウイルスや粉瘤があります。
パピローマウイルスは、白いできものが唇にできて目立つため、できると気が重くなりますが、良性のイボとも言われており、かゆみもありません。
ただし、稀に悪性のことがあるので、長引くようであれば皮膚科を受診しましょう。
粉瘤も白いできもので、かゆみや痛みをともないません。粉瘤は、肌の老廃物が排出されずにたまってできるものなので、良性の腫瘍です。
ただし、放置していると細菌感染などを招くので、早めに処置しましょう。また、稀にがん化することがあるとも言われています。
再発防止のためには外科手術で切除するのが効果的です。
唇にできるホクロ
唇にできる黒イホクロは、単純黒子とも呼ばれます。
ゴマ塩大のホクロが多数できるのが特徴ですが、原因は、紫外線によるものです。紫外線を浴びると肌の奥でメラニン色素が作られます。
普通は肌のターンオーバーとともに排出されますが、日光に当たることによって過剰にメラニンが生成されると、一部が肌にとどまり、黒い斑点が残るのです。
若い時にたくさんの紫外線を浴びた人は、後になってホクロが増えてきます。また、唇を触る、なめる、噛むクセがある人は刺激によって紫外線のダメージを受けやすい状態になり、やはりホクロが増えます。
このようなホクロは、単純黒子と呼ばれる直径3ミリに満たない小さなもので、盛り上がらずに平坦なままです。
ホクロの予防
唇にも日焼け止めを塗ると、予防になります。下唇を重点的に、日焼け止め成分配合のリップクリームを塗り、紫外線防止と保湿の両方をしておくと良いでしょう。
スペシャルなケアとしては、サランラップを使う方法があります。
夜、リップクリームを塗った時に、サランラップでおおうと、保湿剤の吸収が高まります。
ホクロの治療法
ホクロはしだいに成長して大きくなります。大きくなってから治療するよりも、小さいうちにレーザー治療をしておくほうが簡単に済みます。平坦なホクロはレーザーを照射して完全に除去できますよ。
ただし、唇のほかに手の指にも小さなホクロが多量にできる場合は、ポイツ・イエガーズ症候群という大腸の病気にともなう症状である可能性もあります。皮膚科を受診して診断を受けましょう。
唇のできものを予防するための5つのポイント
これまで唇のできものに関して説明をおこないました。
中にはウイルスによるものやはっきりとした原因がわかっていないものもあり
防ぎようがないものと思いがちです。
しかし、そこまでひどいできものにかかるのはごく稀で
普段よく見かけるできものを予防するには以下の5つがポイントとなります。
- ポイント1.唇を清潔に保つ
- ポイント2.体調管理(細菌感染に負けないよう免疫力を保つ)
- ポイント3.ビタミンB類を摂取する
- ポイント4.唇の極端な乾燥を防ぐ
- ポイント5.紫外線による日焼けを防ぐ
唇の乾燥&日焼け対策にはリップクリームがおすすめ
リップクリームといえば寒い時期に唇の感想やひび割れを防ぐものだと
思い込んでいる人が意外と多いです。
しかし先程も申し上げたように紫外線は日光口唇炎やホクロなどわたしたちの口元にも影響をおよぼしてしまうのです。
それを防ぐのに役立つのが、UVカット成分の入ったリップクリーム。
中でも科学成分の含まれていない、ナチュラル、オーガニック系のものがベスト。
海水浴やプール、キャンプなど野外で活動する場合は必須アイテムです。
コンビニでも手に入るので、春夏・秋冬用と、2種類もっておくと良いでしょう。
病院は何科を受診するのが良いの?
口唇ヘルペスの治療
口唇ヘルペスの場合は、皮膚科か内科を受診します。
処置が早ければ軽い症状で済み、短期間で治ります。徴候をつかんだら、すぐに受診するのがおすすめです。
いちど受診して、診断を受けていれば、再発した時は市販薬を使うことも可能ですから、初めは皮膚科を受診しましょう。
病院を受診し、口唇ヘルペスと診断されると、抗ヘルペスウイルス薬が処方されます。そのほか、細菌感染の予防には抗生物質、痛みがある場合は鎮痛剤が処方されます。
<治療の手順>
- 外用薬:軟膏やクリームを使用します。
- 内服薬:予兆が出た時点で服用すると、回復が早まるだけでなく、皮膚から神経細胞に戻るウイルスを減らせるので、再発も予防できます。
- 点滴:重症の場合には点滴も使用されます。
<抗ヘルペスウイルス薬>
- ゾビラックス(外用薬・内用薬):有効成分アシクロビル。副作用が少なく、広く使用されています。
- バルトレックス(外用薬・内用薬):有効成分塩酸バラシクロビル。アシクロビルよりも吸収率が良く、体内でアシクロビルに変換されます。
- アラセナA:(外用薬):有効成分ビラダビン。初期に用いると悪化を予防できます。ただし、ただの口唇炎には効かず、唇がかぶれることもあるので、注意しましょう。
口唇炎ほか
口唇炎や口角炎などは、皮膚科のほかに歯科でも診断してもらえます。
実は歯科治療がきっかけで口内炎が起こることはよくあり、似た症状である口唇炎や口角炎もあつかってくれるそうです。
自分で治す時の市販のお薬について
唇にできたトラブルは、一刻も早く治したいものです。症状が軽ければ、病院を受診しなくても、自分で対処できることもあります。
ここでは、市販の薬をご紹介しましょう。
・口唇ヘルペスには「アシクロビル」
アシクロビルは、抗ウイルス薬アシクロビル配合の再発治療用で、世界100か国以上で使用されています。ヘルペスウイルスの遺伝子に作用し、ウイルスの増殖を抑えます。
使用方法は1日3回~5回塗ります。10日程度が目安ですが、かさぶたができて乾燥したら使用をやめます。
効果的な薬ですが、初めての場合には使用できないのが難点です。ドラッグストアで販売していますが、第一類医薬品なので、薬剤師がいる薬局でしか販売しておらず、誰でも購入できるものではありません。
購入できるのは、いちどかかって病院で診断を受けていて、同じ症状が出た場合に限定されています。
これだけハードルが高いのは、口唇ヘルペスかどうかの判断を自分でするのが難しいこと、使用法を誤ると症状に悪影響が出ることがあるからです。
・口唇炎に「モアリップ」
資生堂のモアリップは、第3類医薬品で、リップクリーム売り場で販売されています。唇の保護と荒れの修復の両方がこの1本でできて、タレントさん御用達のすぐれものです。メイクのりも良くなりますよ。
主成分は、唇の荒れを修復するアラントインと炎症を抑えるグリチルレチン酸です。ほかに、パンテノールやビタミンB6、ビタミンEが配合され、肌を健康に保ち、代謝をうながします。
・口唇炎に「デンタルピルクリーム」
デンタルピルクリームは、第2類医薬品で、ステロイド抗炎症成分が入っている副腎皮質ホルモン軟膏です。主成分は、炎症を抑えるプレドニゾロンと、細菌感染を防ぐ殺菌成分セチルピリジニウム塩化物水和物です。
唇の痛み、ひりひり感、赤み、亀裂、めくれなどの症状を改善し、口唇炎、口角炎、口内炎などにも効果があり、幅広い症状に使用できます。
まとめ
今回は、唇にできるできものについて、考えられる病気とその原因、症状、対処法をお伝えしました。
唇に何かできてしまうと、憂うつな気持ちになりますよね。症状をみきわめ、適切な対処をして、短期間で治してしまいましょう。
唇のトラブルは比較的治りやすいですが、繰り返したり長引いたりする時は、重い病気がかくれていることもあります。
気になる場合は、早めに皮膚科や内科、歯科などを受診して、適切な診断を仰ぎましょう。