お洒落の大敵!二の腕のぶつぶつの原因、毛孔性苔癬の治し方について
二の腕にいつの間にかできているぶつぶつ。人から見られる場所にできていると
半袖が着られない…
脱毛などの処理ができない…
など、薄着の季節になるのが憂うつになってしまいます。
どうしたらきれいな肌に戻せるでしょうか。オシャレを我慢しないで済むように、早めに対処しましょう!
二の腕のぶつぶつの症状、毛孔性苔癬について
痛みやかゆみは感じないのに、いつの間にか二の腕に小さなぶつぶつができている、というのは、毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)という皮膚炎の一種です。
あるいは毛孔角化症(もうこうかくかしょう)とも。一般には、「さめ肌」とも言われます。
二の腕のほかには、太もも、お尻、背中などにもできます。
触るとざらざら、ぶつぶつとしていますが、色は普通の肌の色で、薄い赤や褐色系の色がついていることもありますが、痛みやかゆみはありません。
思春期に多くみられ、年齢が上がると減っていきます。
そのままでも有害ではないですし、感染もしないで放置しても問題ありませんが、治すとなると意外にやっかいです。
ぶつぶつの原因は、硬い角栓なので、簡単には取り除けないのです。オシャレを楽しみたい人にとっては、深刻な悩みになることもあります。
毛孔性苔癬は、普段のスキンケアでは治すのが難しいですが、対処法がないわけではありません。すべすべ肌を手に入れるために、原因や対処法を詳しくみていきましょう。
毛孔性苔癬の特徴と原因
毛孔性苔癬の、二の腕にできるぶつぶつやざらざらは、毛穴に詰まった角栓が原因です。
毛穴の内部の角質層が分厚くなり、古い角質が角栓となって毛穴をふさぎ、硬い角質や毛が埋まったまま盛り上がってきて、ぶつぶつになります。
このぶつぶつは、医学用語では「丘疹(きゅうしん)」と呼ばれています。
毛穴の内側に古い角質がたまり、皮膚の表面に盛り上がることで丘疹が生じます。毛穴ですから、角質と一緒に毛が詰まっていることもあります。
毛孔性苔癬の原因は、残念ながらはっきりと解明されていません。
皮脂腺機能の異常、ビタミンAの欠乏、遺伝などが考えられていますが、十分に明らかにはなっていないのです。思春期に多く、妊娠・出産がきっかけになることもあるので、ホルモンバランスも関係があると考えられています。
発症しやすい場所については、かかる人の9割が二の腕に発症し、6割の人が太ももに、3割の人がお尻にも発症している、という報告もあります。
年齢層は、子どもから大人まで、誰でもかかります。小学校高学年の約20%がかかっており、患者の約半数は10代です。
それ以上になると、徐々に減っていき、30代では自然に消える人もいますが、そのまま残る人も多くいます。
男性もかかりますが、女性のほうが気にしている人が多いと言えます。
なんと、女性の3.5人に1人が悩んでいるとも言われているんですよ。
ニキビとの違い
毛孔性苔癬では、毛穴が硬く盛り上がる症状のほかに、赤くなったり、白ニキビのように見える症状もあります。大きくなった毛孔性苔癬は、ニキビと勘違いすることもあるでしょう。
でも、ニキビのような痛みやかゆみはありません。
また、ニキビは、汗をかきやすい場所にできるのに対し、毛孔性苔癬は、二の腕や太ももなどに集中し、発症する場所の点でもニキビと違います。対処法もニキビとは違うので、注意しましょう。
ただし、ニキビと共通する点もあります。それは、無理につぶしてしまった時。色素沈着やクレーター状の跡が生じてしまうという事です。
しらないうちに、衣服で擦れたり、かきむしったりする事があるので気をつけなければなりません。
毛孔性苔癬が悪化する要因
毛孔性苔癬の原因は、はっきりしませんが、1つ言えることは、刺激や乾燥で悪化するということです。肌の状態を良好に保つために、次のようなことに注意しましょう。
二の腕のぶつぶつの治療法、効果のある薬の成分とは?
毛孔性苔癬を改善する成分としては、尿素が代表的です。
尿素配合のクリームは、市販薬でも皮膚科の処方薬でも使われます。
尿素配合クリームは、角質を溶かす作用があり、肌表面をやわらかくし、余分な角質を取り除きます。また、保湿効果もあるので、肌を乾燥から守ります。
皮膚科で用いられるサリチル酸も、角質溶解の作用があります。多くのフルーツ酸に含まれています。効果が高く、比較的低刺激なので、ピーリング剤としても使用されます。
そのほかにも、元の肌に戻すには、症状を抑える成分、肌をキレイにする成分が必要になります。
- トコフェロール酢酸エステル(血行をうながし、患部を修復する)
- グリチルリチン酸二カリウム(炎症を抑えて赤みをとる)
- グリチルリチン酸モノアンモニウム(同上)
では、皮膚科での治療、自宅でのケアにはどのような方法があるのか、薬も含めてみていきましょう。
皮膚科での治療
皮膚科では、保険治療を受けられます。その場合、外用薬、保湿剤、漢方薬などが処方されます。
・外用薬
サリチル酸、尿素などが配合された、軟膏、クリームが使われます。
どちらも角質溶解作用がある成分で、肌表面の角質を溶かしてやわらかくし、硬く詰まった角栓を取り除く作用があります。これが、問題の角栓を取り除くための基本の薬となります。
・保湿剤
毛孔性苔癬は、肌が乾燥していると症状が進行します。そこで、肌の水分量を保つために、保水力と浸透性が高い、ヘパリン類似物質などが配合された保湿剤が使われます。ヒルドイドは、代表的な保湿剤です。
・漢方薬
ヨクイニンが使われます。ハトムギを原料とした漢方薬で、イボ、ニキビによる角化症全般に効果があり、広く使われています。
ヨクイニンには、体にたくわえられた余分な水分を排出する作用があります。代謝を改善し、水分とともに老廃物を排出し、肌をきれいに整えます。肌に関しては、ビタミンB群やたんぱく質、カルシウムを豊富に含むので、健康な肌細胞を生成するのに役立ちます。
副作用の心配がないことからイボの治療には現在でもよく利用されています。
参考記事:首イボの原因と治し方、ぶつぶつに効果のある成分やお薬について知ろう
保険適用外のもの
また、病院では、保険適用外の治療も選択できます。保険適用外の治療としては、ケミカルピーリング、ダーマローラー、レーザー照射などが行われています。
・ケミカルピーリング
ピーリングは、「皮をむく」という意味で、肌表面の角質を取り除くことを指します。
具体的には、さまざまな外科的手法がありますが、化学薬品を使う「ケミカルピーリング」が一般的です。
ケミカルピーリングでは、薬剤を肌に塗り、分厚くなった角質を溶かし、肌再生をうながします。
手軽なピーリング剤はドラッグストアでも販売していますが、皮膚科や美容外科では、グリコール酸、サリチル酸、乳酸、リンゴ酸などのフルーツ酸(AHA)を用い、皮膚に塗布し、角質や毛穴に詰まっている角栓を溶解して除去します。
毛孔性苔癬に対する効果は一定程度ありますが、時間が経つと元に戻ることも多いのが現状です。根本治療のためには、肌表面ではなく肌の奥を刺激することが必要になります。
・ダーマローラー
極細の針がついたローラーを使い、肌の上でころがし、皮膚に目に見えない孔を開けます。すると、傷を治すために肌細胞を作り出す指令が出て、肌の奥のコラーゲンが劇的に多量に生成されます。
コラーゲンが増えると、新しい肌細胞が作り出されるだけでなく、肌にハリが出てやわらかくなり、肌の状態が全体的に改善されます。
コラーゲンの生成は、施術後すぐに始まり、約2か月間増え続けるとされています。治療は、コラーゲン生成のメカニズムに合わせ、1か月以上の間隔で数回実施します。
さらに、ダーマローラーの後にグロースファクター(成長因子)を塗布すると、肌再生が促進されます。
このように、肌本来の力を引き出し、傷が治る際の治癒力を利用して肌を再生させるというのが、ダーマローラーによる治療の特徴です。
毛孔性苔癬だけでなく、シミやシワなどのアンチエイジング全般に効果のある方法です。
ただし、わずかであっても一時的に肌を傷つけるので、施術の直後は、はれや赤みが出ますし、施術の際は麻酔を用います。
・レーザー照射
レーザー照射は、肌に光を照射し、毛根にダメージを与えて脱毛する方法と、真皮にダメージを与えて肌再生を促す方法の2種類があり、どちらも肌の奥に直接はたらきかけて症状を改善する治療法です。
1)アレキサンドライトレーザーなどの脱毛用のレーザーを用い、脱毛を行います。脱毛により、毛が生えてこなくなるので、毛穴が毛によって詰まるのを予防します。
2)フラクセルを用い、新しい皮膚に再生することで症状を改善するという方法もあります。比較的新しい方法で、効果も期待できるものなので、詳しくみてみましょう。
「毛孔性苔癬フラクセル」は、肌再生レーザーとも言われています。肌の真皮に作用し、皮膚そのものを入れ替える治療法です。
修復や改善にとどまらず、肌再生に特化することで、治療効果が大きくなります。原理はダーマローラーと似ていますが、肌を傷つけない点、施術者の圧力のかけ方で治療差が出ることがない、などのメリットもあります。
ただし、積極的治療に分類されるので、おだやかな効き目ではなく、強い効果がある反面、痛みやダウンタイムも生じます。
フラクセルのメカニズムは次の通りです。
- 0.1mmの極小レーザーを照射します。
- 分厚く硬くなった角質にレーザーが反応し、ダメージが与えられ、組織が凝固します。
- 凝固した組織を押し出そうと細胞がはたらき、ターンオーバーが強くうながされます。
- 施術後数時間から1日で固まりが表面まで押し上げられ、極小のかさぶたができます。
- 4日~14日でかさぶたが取れ、固まりは排出されます。
自宅で治すには
皮膚科にかからず、まずは自宅で様子を見ながら対処したいという場合には、市販薬を使う方法と、予防のために生活習慣を見直す方法が有効です。
・生活習慣を見直す
・市販薬の使い方
毛孔性苔癬を自宅で改善するには、市販薬を使って、肌表面の角質をやわらかくし、硬くなった角質を取り除くことがポイントです。
市販薬は、尿素などの効果的な成分が十分に配合され、角質を取り除いた後の保湿や抗炎症の成分がきちんと入っているものを選びましょう。
店頭では、ぶつぶつ、ざらざら、さめ肌のケアをうたっているもの、角化症のケアを目的としているものなどを中心に探すと良いでしょう。
なお、市販薬を使用する場合には、注意点もあります。
効果があるとされる市販薬でも、はっきりと効果が出るのには2週間かかります。角質が生まれ変わるのに2週間必要だからです。
翌日キレイになるという即効性があるわけではないので、根気よく毎日塗布しましょう。その間に、肌がやわらかくなってくるはずです。
また、尿素の配合量は、市販薬では最大20%までと決められています。20%配合で高い効果を目指すもの、皮膚が薄い患部を考慮して10%のものがありますので、肌の状態や目的に合わせて選びましょう。
おすすめの市販薬
・ロート製薬 ザラプロ(メンソレータム)
肌をキレイに生まれ変わらせ、3ステップで症状を改善!
- 角質軟化
- 血行促進
- 炎症を抑える
尿素で角質をやわらかくし、トコフェロール酢酸エステルが血行を促進、グリチルリチン酸二カリウムが炎症をおさえます。
さらに、ビタミンCや天然保湿因子乳酸ナトリウムが配合され、うるおう肌に。
症状を改善し、つるすべのお肌をもたらします。
二の腕の薄い角質に合わせ、尿素の配合は10%に抑えられており、やさしい使い心地です。
<成分>
有効成分(1g中)
尿素:100mg 角質を柔らかくする
グリチルリチン酸二カリウム:5mg 炎症を抑える
トコフェロール酢酸エステル:5mg 血行を促進し、患部の修復を促進
・小林製薬 ニノキュア
- しっかり効いてすべすべの肌を導く3つの効果!
- 高い角質軟化と除去効果
- 肌再生を正常化
- 赤みを改善
尿素を最大限の20%配合し、高い効果で角質をやわらかく保湿することにより、硬くなった角質を取り除きます。トコフェロール酢酸エステルが血行を促進し、肌再生を正常化します。グリチルリチン酸モノアンモニウムが抗炎症効果を発揮し、赤みを改善します。
<成分>
有効成分(100g中)
尿素:20.0g 角質を柔らかくする
トコフェロール酢酸エステル:0.5g 血行を促進し、患部の修復を促進
グリチルリチン酸モノアンモニウム:0.5g 炎症を抑える
・薬用アットベリー
- 医薬品と同じ成分プラス美白・保湿成分!
- ぶつぶつが黒ずみやシミとなってしまった肌でもケアができる
- すこやかな角質を育て、ぶつぶつの再発を防ぐ
尿素が苦手な方や、肌が敏感な人にもおすすめ
薬による治療は素早く治す事が目的のため尿素など強い成分が含まれています。
短期間の使用は良くても、長く使用すると、肌荒れの原因となるのが唯一のデメリットでした。
薬用アットベリーは、二の腕やわきなどデリケートな皮膚に特化したアイテムです。
ザラケアやニノキュアと同じグリチルリチン酸を主成分としながら、セラミド、エラスチン、プラセンタなど美肌に必要なものがたっぷり配合されています。
刺激が強いのが苦手でも日頃のケアをしっかりおこないたい方におすすめです。
<成分>
有効成分(60g中)
グリチルリチン酸ジカリウム(2K):炎症を抑え古い角質を浮き上がらせる
甘草フラボノイド:メラニン色素生成の元になるチロシナーゼ酵素を抑制
プラセンタ:成長因子により細胞再生を活性化
こちらの製品は通販のみの取り扱いとなります。
まとめ
今回は、二の腕にできるぶつぶつの原因や毛孔性苔癬の対処法をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
じつは、私の小学生のいとこも、先日、「ぷつぷつがあるよ。何か塗って。」と訴えてきました。まだ盛り上がりはわずかですが、これも毛孔性苔癬の症状かもしれません。小さな男の子でも気になるものなのですね。まずは、保湿剤で様子を見ようと思います。
ご紹介した市販薬は、小さな子どもの場合、保護者の監督のもと、使用しても良いことになっています。
効果的な市販薬を使うか、皮膚科で適切な治療を受けて完治を目指すか、状況に合わせて選び、対処したいものです。
放置していても有害なことはありませんが、そのために消極的になってしまうのは残念ですよね。
自分に合った方法を選んでキレイな肌を手に入れて、オシャレに自信を持てるようになれると良いですね!