ものもらいや結膜炎、花粉症におすすめの抗菌目薬の正しい選び方
春先はほこりが多く、花粉も飛散し、ものもらいや結膜炎など目のトラブルを招きやすい季節といわれます。
特に毛先が目にかかりやすい髪型をしていたり、おしゃれでコンタクトを多用する女性は、目の炎症を起こしやすく、1年を通して気を使わなければならないのです。
瞳は大事なチャームポイントのひとつ。メイクがバッチリ決まっていても、目が腫れてたり、充血していたりすると全てが台無しです。
「あ~もう、なんでこんな時に限って…」
と思ったことは誰にでもあるはず。
ものもらいは、誰でもかかる目の病気ですが、できれば早いうちに治したいですよね。
そんな辛い症状を取り除くためには、正しい知識を持って、適切な薬を使うことが重要です。
ここでは、ものもらいの種類と症状、治し方から、炎症やかゆみ解消に役立つおすすめの抗菌目薬をご紹介します。
花粉症による目の炎症を抑える裏ワザもお伝えしておりますので、気になる方はじっくりと読んでみてください♪
ものもらいの基礎知識
ものもらいは、まぶたにある皮脂や汗を分泌する腺に細菌が感染して起こる、急性の化膿性炎症です。
医学用語では、「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」と「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」と呼ばれる症状の総称なのですが、一般的には、「ものもらい」のほかに、「めばちこ」「めばち」など地域によってさまざまな呼び名が使われています。
一般的な症状としては、まぶたの一部がはれて赤くなり、かゆみをともないます。
時間の経過とともに痛みが出て、最初は指で押したとき、まばたきをした時などに痛み、しだいに痛みが強くなります。悪化するとはれがひどくなり、目やにが増え、膿が出ます。
ものもらいは、人間にとって身近な菌である黄色ブドウ球菌がおもな原因菌となっています。
黄色ブドウ球菌は、化膿した傷を好みますが、普段から、のどや鼻、皮膚、手指、毛髪、腸内にも住んでいます。感染力は弱い菌ですが、抵抗力が落ちていると、目をこすっただけでも発症することがあるのです。
ものもらいの種類と原因
ものもらいの種類は、上述のように、医学的には2種類あります。それぞれについて、どのような症状なのか?もっと詳しくみてみましょう。
1)麦粒腫
まぶたの表面についた細菌が、分泌腺や毛穴に入り込み、炎症をおこすのが、麦粒腫と呼ばれるものです。
さらにいうと、まぶたの外側にできるのが、「外麦粒腫」内側(結膜面)にできるのが「内麦粒腫」です。
どちらとも初めはかゆみをともない、しだいに痛みが出るのが特徴です。目が充血し、ゴロゴロするという症状も出ます。進行すると膿点が生じ、破れて膿が排出されると治ります。
2)霰粒腫
霰粒腫は、まつげの生え際にできるものもらいです。
まつげの根元には、目を保護するために、皮脂を分泌する腺「マイボーム腺」があります。このマイボーム腺に、何らかの原因で皮脂が詰まり、炎症を起こします。
軽い場合は、まぶたがはれ、しこりができるものの、脂肪が自然に吸収されて治癒します。
ところが、皮脂詰まりの状態に細菌が入り込み、繁殖すると、化膿して赤くはれ、痛みも出ます。
この状態でも、自然に吸収されて治ることもあるのですが、場合によっては悪化し、いぼのように固まり、いつまでも残ってしまうこともあります。
ものもらいと結膜炎の見分け方
ところで、ものもらいだと思っていたら、じつは結膜炎だったということもよくあります。
細菌性の結膜炎は症状が軽いですが、ウイルス性の場合は注意が必要です。感染力が強く、人から人へうつりますので、かかった場合は注意が必要です。
ウイルス性の結膜炎は、「はやり目」とも呼ばれますが、医学的には3種類あります。
- 流行性角結膜炎
- 咽頭結膜炎(プール熱)
- 急性出血性結膜炎
流行性角結膜炎と咽頭結膜炎は、アデノウイルスによる感染、症状の激しい急性出血性結膜炎は、エンテロウイルスの感染が原因となって起こります。
いずれも感染力が強いので、タオルを介しても感染する可能性があり、症状が出ている目を触った手で、自分の目を触ると確実に感染すると言われています。
はやり目の場合は、学校や仕事は休み、家族の間でも感染防止に注意します。入浴も最後に入るようにしましょう。
ものもらいと結膜炎の見分け方は、次のようになります。
- まぶたが赤くはれ、しこりがあるものの、充血していない場合は「ものもらい」です。
- 結膜(白目)が充血していると「結膜炎」です。
細菌性結膜炎は、比較的症状が軽く、抗生物質による点眼をすると1週間ほどで治ります。
一方、ウイルス性結膜炎の場合は、痛み、ひどい充血、耳前のリンパ腺のはれなどの症状も出ます。感染力も強いので、衛生管理に注意し、すみやかに眼科を受診しましょう。
また、目やにで判断する方法もあります。
・黄色い粘り気のある目やに
ものもらいや細菌性結膜炎の可能性があります。市販薬の場合は、抗菌目薬を使いましょう。それでも改善されない場合は、すみやかに眼科を受診してください。
・涙のようなさらさらの目やに
花粉や動物毛などのアレルギー性結膜炎の可能性があります。
・白い粘り気のある目やに
ウイルス性結膜炎の可能性があります。これは、感染力が強く、市販薬では対応できないので、すぐに眼科を受診しましょう。
ものもらいを予防するには
ものもらいの原因で最も多いのは、細菌感染です。
通常の健康な状態なら感染しない程度の弱い細菌でも、抵抗力が落ちていると最近に感染し、炎症を引き起こします。
ものもらいの予防には日常生活のなかで以下のことに注意をしておくのが効果的です。
・目の周りを清潔にしておく
洗顔の際に目の周りをよく洗います。とくにまつげの根元は雑菌がたまりやすいので、きれいにしておきましょう。タオルでごしごしこすると、かえって雑菌が入り込むきっかけになるので、水気をやさしく拭き取る程度にしておきます。
・コンタクトレンズのお手入れ
コンタクトレンズを使用している場合は、管理に気を遣いましょう。使い捨てレンズ以外は、いつも清潔にしておくことが大切です。使用期限やレンズの洗浄を適切にしていないと、慢性的に目に負担をかけることにもなります。
・入浴では十分に温まる
シャワーだけで済ませていると、目の周りは温まりません。湯船につかって温まると、まつ毛の根元の皮脂腺も開き、皮脂がつまりにくくなります。
・前髪がかからないようにする
前髪が目にかかっていると、雑菌が入り込みやすくなります。ものもらいを繰り返し発症する原因にもなるので、前髪は目にかからない髪型にしたほうが安全です。
・濃いアイメイクを避ける
アイメイクを濃くしていると、メイク剤が皮脂腺や毛穴に入り込み、皮脂詰まりを起こしやすくなります。ものもらいになりやすい人は濃いメイクを避け、夜はしっかりメイク剤を洗い流すようにしましょう。
・健康管理のポイント
抵抗力が低下していると、普段は何でもない細菌に負けてしまい、感染してしまいます。栄養バランスの良い食事、たっぷりの睡眠、適度な運動など、日ごろの生活習慣を整えておくことも大切です。
たとえば、食事に気をつけるだけでも、ものもらいの症状を抑えることにつながります。
刺激の強い食品、エビ・カニのような甲殻類、アルコールなどは、炎症を悪化させる要因になります。
目が疲れている時などものもらいになりそうな時は、栄養バランスを考えた和食中心の食事のほうが良いでしょう。
ものもらいの治療と処方薬
ものもらいにかかった場合は、眼科を受診します。
眼科では、症状に合わせて抗菌性薬物を投与してもらえます。黄色ブドウ球菌を殺菌できる抗菌点眼薬、抗菌眼軟膏、場合によっては抗菌内服薬を用います。
適切に治療を受ければ、1~2週間で治癒しますが、膿がある場合は、外科的治療として、切開して膿を取り除いて治癒を早めます。
症状が軽い場合は、市販薬で改善することもできます。
ここでは、眼科で処方される、ものもらいに効く目薬、抗菌性点眼薬をご紹介しましょう。
クラビット点眼薬
主な成分は、レボフロキサシンです。
黄色ブドウ球菌などの殺菌作用が高いのが特徴です。ものもらいの点眼薬として定番の目薬です。
フルオロメトロン点眼薬
主な成分は、フルオロメトロンです。ステロイド剤なので、抗炎症効果は高いのですが、細菌感染を助長する原因になるので、炎症がひどくなければクラビット点眼薬のほうが適切です。
市販の目薬の種類
眼科にかかるほどではない場合は、ドラッグストアで目薬を購入し、様子を見ましょう。その場合には、どのような基準で選べば良いのでしょうか。
市販の目薬は、用途により、次の5種類に分けられます。
・一般点眼薬
目の疲れ、充血、かゆみ、目のかすみ
・抗菌性点眼薬
結膜炎、ものもらい、目のかゆみ、花粉やハウスダストによるアレルギーや炎症抑制
・人工涙液
目の疲れ、涙液の役割、ドライアイ、目の乾き
・コンタクトレンズ装着液
ハードレンズあるいはソフトコンタクトレンズの装着
・洗眼薬
目の洗浄、水泳の後やホコリなどが入ったとき
このうち、一般点眼薬や人工涙液は、ものもらいの改善には不十分です。コンタクトレンズ装着液も用途外ですね。
間違って使ってしまいがちなのが、洗眼薬です。これは、アイボンのような、洗浄液で目を洗うタイプです。
目のごみを洗い流すような場合には役に立ちますが、ものもらいの場合、目全体に感染を広げてしまう可能性もあります。
また、洗浄液を入れた容器も汚れてしまいますので、容器を水で簡単に洗っただけで繰り返し使うのもNGです。
これは、結膜炎などのほかの目のトラブルにも当てはまります。
ものもらいの場合に有効な目薬は、抗菌性点眼薬になります。
ものもらいに効く成分
ものもらいに効果的な成分を、目薬に配合されている成分からチェックしてみましょう。
・スルファメトキサゾール(ナトリウム)
ものもらいの炎症を抑える成分として代表的な成分です。ほとんどの抗菌目薬に配合されています。
この成分は、持続性のサルファ剤で、細菌の感染で引き起こされる眼病全般に効果的です。
逆に言うと、スルファメトキサゾールのようなサルファ剤が配合されていなければ、抗菌目薬とは言えません。
サルファ剤とは、スルフファミンという成分を基本とする、細菌感染症に有効な化学療法剤の総称です。
スルファ剤、スルファミン剤、スルホンアミド剤とも呼ばれます。抗生物質が広く使われるようになるまでは、サルファ剤が治療の主流だったそうですよ。
そのほか、以下のような成分がサルファ剤とともに配合されます。
- 消炎成分:グリチルリチン、イプシロン・アミノカプロン酸、アズレンスルホン酸ナトリウム
- 抗ヒスタミン剤:クロルフェニラミン
- 角膜の乾燥予防:コンドロイチン
- 疲れ目改善:タウリン、アルギン酸
- サルファ剤のサポート成分:ヒプロメロース
ものもらいに効く目薬は、メーカーによって少しずつ違いがありますが、中心となるサルファ剤は共通で、そのほかの成分も、消炎、抗ヒスタミン剤、サルファ剤のサポート成分などが調合されています。
成分を見ても、細菌性の炎症を抑える効果が期待できる内容になっていますね。
花粉症による目の炎症には、みかんと飲むヨーグルトが効果的
ちなみに、花粉によって引き起こされる目のかゆみや炎症はアレルギーが原因ですが、その都度目薬などを使用するよりも、もっと効果的な方法があります。
それは「飲むヨーグルト」の中に「みかんの皮」をすりつぶして入れて飲むだけ。
もともとヨーグルトの原料である牛乳には「βラクトグロブリン」という成分が含まれ、そこにみかんの皮に含まれる「ノビレチン」というアレルギー緩和効果がある成分をプラスすることで相乗効果が高まるそうです。
これは愛媛大学の農学部が発表しました。
学会でもこの成果を発表。2015年3月30日付の読売新聞電子版によると、スギ花粉症患者26人に、牛乳成分を含む飲むタイプのヨーグルト150ミリリットルにすり潰したミカンの皮を混ぜたものを1日1回飲ませた。2週間後に花粉症の原因物質を両目に点眼し、30分後の症状を見たところ、飲み始める前と比較してかゆみなどの自覚症状が大きく低下。結膜炎の指標になる眼球表面の温度上昇も、約半分に抑えられたという。
http://www.j-cast.com/2015/04/11232146.html
最適な分量は1日にみかんの皮1個分を飲むヨーグルトと摂取すること。
一度に大量に皮を入れると苦いので、朝昼晩、と3回に分けて食事と一緒に飲むのがベストです。
すでにみかんをつかった「花粉症対策スイーツ」を出しいているカフェもあるそうですが、自分で簡単にできる方法なので、花粉に敏感な方は試してみてはいかがでしょうか。
おすすめの抗菌目薬はコレ!
先ほど、目薬の種類についてお話しましたが、ものもらいや花粉対策には抗炎症、アレルギー成分が含まれている「抗菌目薬」の中から選ぶべきです。
ここでは市販さているものから評判の良い5点をご紹介します。
●ロート製薬 ロート抗菌目薬i 0.5ml×20本
- 使い切りタイプ
- 細菌に強い抗菌力があるサルファ剤を配合
- サルファ剤の効果をアップさせるヒプロメロースとアルギン酸を配合
- 抗炎症成分をダブル配合
衛生的な使い切りタイプで人気の目薬です。徹底的に炎症を抑える成分が配合されているので、効き目は抜群です。使い切りなので、衛生面も安心ですね。
●オフテクス ティアーレ抗菌目薬 0.5ml×18本
- 使い切りタイプ
- 細菌に強い抗菌力のサルファ剤を基準内最大濃度配合
- 抗炎症成分をダブル配合
- サルファ剤のサポート成分を配合
こちらも衛生的な使い切りタイプで、必要な成分が十分に配合されているので安心です。店頭でみかけることは少ないかもしれませんが、衛生面を考えると、ものもらいの時は普通の目薬よりもこちらを選びたいですね。
●参天製薬 サンテ抗菌新目薬 12ml
- 持続性サルファ剤を配合
- サルファ剤のサポート成分を配合
- ソフトな差し心地
刺激の少ない処方なので、症状がつらい時にもやさしい差し心地です。使い切りではありませんが、症状が出ている期間使い続け、あとは処分するようにすれば安心です。
●ゼリア新薬 マージナル抗菌AZ 10ml
- 天然由来の抗炎症成分アズレンスルホン酸ナトリウム配合
- 持続性のサルファ剤を配合
- 角膜細胞を守るコンドロイチン配合
処方薬アズレン点眼液と同じ成分が配合されているのがポイントです。アズレンスルホン酸ナトリウムは、充血やかゆみなどの炎症を抑える効果がある生薬になります。天然成分配合で効果の高い目薬になっています。
●ロート アルガード クリアブロックZ 13ml
- 眼科用薬・第2種医薬品
- 有効成分全てが過去最大の濃度
- 抗アレルギー・ヒスタミン・炎症のトリプル処方
- 花粉症からハウスダストまでトータルにケア
花粉症による目の充血やかゆみを過去最大の有効成分がシャットアウト!
また、さし心地も清涼感レベル4と、爽快感を感じやすい目薬です。一般用のアレルギー点眼薬よりも効果が高いので、花粉飛散のピーク時よりも1~2週間前から使用しておくと症状の悪化を防いでくれます。
まとめ
ものもらいの症状と原因、目薬についてご紹介しました。ものもらいは、ウイルス性の結膜炎などに比べると症状がゆるやかで、適切に対処すればひどくならずに治癒できます。
様子を見る間は市販の抗菌目薬を使い、症状が改善されないようであれば眼科を受診して、処方薬をもらいましょう。
予防には、規則正しい生活習慣や清潔さもポイントになります。
花粉が多い、ほこりっぽい季節には、日ごろから生活習慣に気を遣い、目のトラブルを予防したいものですね。